ティザー広告とは|発売前リスト1,200件を獲得した作り方と事例
ティザー広告で発売前にリストを集め、新商品のニーズをテスト配信で見極める方法を解説します。ティザーLPの設計やオファー、ナーチャリングの組み立て方、発売前に約1,200件を獲得した実例まで紹介。ECや新規事業のローンチを控える方向けのガイドです。
公開: 2026年6月19日 最終更新: 2026年6月20日
この記事でわかること
ティザー広告とは、発売前に見込み客のリスト(メールアドレス等)を集め、新規事業や新商品のニーズを安い広告費で確かめる「テスト配信」として活用できる広告手法です。「ティザー(teaser)」の名のとおり、もともとは情報を小出しにして期待感を高める広告を指しますが、本記事では、これを発売前のリスト獲得に応用する実務的な使い方を中心に、作り方から実例まで解説します。
ティザー広告とは
「ティザー(teaser)」は英語で「じらすもの」を意味し、ティザー広告は一般に、情報をあえて小出しにして、見る人の好奇心や期待感を高める広告手法(じらし広告)を指します。これが言葉の由来であり、辞書的な意味です。映画の予告編や、新商品の「近日公開」といった予告広告をイメージすると分かりやすいでしょう。
ただし実務、特に新規事業や新商品の立ち上げでは、ティザー広告はもう一歩進んだ使われ方をします。それが、発売前に見込み客のリストを集め、同時に市場のニーズを安い広告費で確かめる「テスト配信」としての使い方です。新規事業のコンセプトや新商品が、世の中に本当にニーズがあるのか。それを、いきなり在庫を抱えたりモール(Amazon・楽天など)に出品したりする前に確かめられます。本記事では、この実務的な使い方を中心に解説していきます。
ティザー広告の基本的な仕組み
ティザー広告の基本は、「期待感を先に作り、本番で一気に刈り取る」という二段構えです。
- 発売前(ティザー期):商品の核心は伏せたまま、「何か面白いものが始まりそう」という期待感を醸成し、興味を持った人を見込み客(リスト)として集める
- 発売時(ローンチ):集めた見込み客に向けて本番のプロモーションを行い、期待が高まった状態で購入・申し込みにつなげる
実際の作り方はとてもシンプルで、「簡単なコンバージョンポイント(成果地点)」+「簡単なLP」+「SNS広告」の組み合わせです。コンバージョンポイントはリストの獲得、つまりメールアドレスの登録や公式LINEの登録に設定します。SNS広告の中でも、もっともリーチ力が高いのはMeta広告(Instagram・Facebook)です。
ここで大切なのは、作り込みすぎないことです。あくまでテスト配信なので、LPやバナーを完璧に仕上げる必要はありません。自分たちが考えている事業案・商品の訴求を、LPを2〜3本、バナーや動画を3〜5種類ほど用意して、まず配信を始める。このスピード感が、ティザー集客では効いてきます。
通常の広告との違い・使いどころ
通常の広告は、すでにある商品を「買ってください」と直接訴求します。一方、ティザー広告は、商品を見せる前に「期待」を作り、同時に「反応をテストする」ところに重心があります。
| 観点 | 通常の広告 | ティザー広告 |
| 主な目的 | その場での購入・問い合わせ | 発売前の期待感醸成・リスト獲得・反応テスト |
| 見せ方 | 商品の魅力を明確に提示 | 核心は伏せ、期待感で引きつける |
| 効くタイミング | 商品がすでにある段階 | 発売前・ローンチ前 |
| ゴール | 直接のコンバージョン | リスト獲得+市場ニーズの検証 |
使いどころは、「これから何かを世に出す」場面です。在庫の確保やモールへの出品は、後戻りしにくい大きな意思決定です。その前にティザー広告で反応を見ておけば、「ニーズがあるか分からないまま大きく投資してしまう」というリスクを下げられます。次章で、向いているケースを具体的に見ていきます。
ティザー広告が向いている場面
ティザー広告は万能ではなく、特に効果を発揮する場面があります。代表的なケースと、成功のための大前提を解説します。
新商品・サービスのローンチ
最も相性が良いのが、新しい商品・サービス、そして新規事業のローンチ(立ち上げ・発売)です。世の中にまだ知られていないものを出すとき、発売と同時にゼロから集客を始めると、立ち上がりに時間がかかります。ティザー広告で発売前から期待感を育てておけば、発売の瞬間に「待っていた人」へ一斉に届けられます。
ただし、ここで欠かせない大前提があります。それは、商品・サービスに「新規性」があることです。ありふれた(コモディティ化した)商品では、ティザー広告でもなかなか反応は取れません。たとえば、特長のない普通の化粧水を「事前に情報を受け取りませんか」と打ち出しても、興味は引きにくいものです。逆に、他社がやっていない特性や、これまでにない機能を持つ商品であれば、「気になる」という反応が取りやすくなります。広告のクリエイティブやLPの出来も大切ですが、その土台として、商品自体の新しさ・ユーザーの興味関心を引く力があることが前提になります。
発売前のリスト獲得を狙うケース
ティザー広告のゴールとしてよく設定されるのが、リスト獲得です。リストとは、メールアドレスや公式LINE登録など、後から連絡できる見込み客の連絡先のことを指します。発売前に「気になる人」のリストを集めておけば、発売時にそのリストへ直接プロモーションを届けられます。
このリストは、さまざまな場面で活用できます。代表的なのが次のようなケースです。
・モール(Amazon・楽天)でのローンチ前の事前集客:発売前にリストを集め、出品と同時にプロモーションをかける
・クラウドファンディングの事前集客:プロジェクト公開時の初動を、事前リストで一気に押し上げる
・フランチャイズ加盟者向けの事前集客:加盟募集の前に、関心層のリストを用意しておく
特にモール販売との相性は良く、ここには「好循環」が生まれます。事前に集めたリストへ、発売のお知らせをメールで配信すると、もともと興味を持っているユーザーなので、発売直後から一定の購入が入ります。Amazonや楽天といったモールは、購入(CV)が入るとランキングや検索(モール内SEO)で上位に表示されやすくなる特性があります。上位に出れば、リストにいなかった新規ユーザーの目にも触れ、さらに購入が広がる。こうして初動が軌道に乗っていきます。
なお、新規事業の立ち上がりで最も苦戦しやすいのが、この「初動」です。モール内の広告は多くの出品者が競い合い、クリック単価(CPC)が高騰して疲弊しがちですが、Meta広告にはまだクリック単価の安い配信面が多くあります。立ち上げ期に、Meta広告経由で安くリストを集め、その初動の力でモールのスタートを切る。これが、ティザー集客がうまく機能する理由です。
リストを獲得するティザー広告の作り方
ここからは、発売前にリストを獲得するティザー広告の作り方を、3つのステップで解説します。
ステップ1|製品の核心は伏せ期待感を高めるティザーLPの設計
ティザー広告で集めた関心は、最終的にティザーLPで受け止めます。LPとは、広告のリンク先となる1枚のページのことです。
ティザーLPの設計で最も大切なのは、「核心は伏せつつ、期待感は最大化する」というバランスです。すべてを説明すると、発売前に興味が満たされ、登録する理由がなくなります。逆に何も伝わらなければ関心を持ってもらえません。具体的には、次の要素で組み立てます。
・「何かが始まる」という予感:発売が近いこと、特別な何かが用意されていることを示す
・登録するメリット:「先行案内が届く」など、いま登録する理由を明示する
・シンプルな登録導線:メールアドレスや公式LINE登録など、ひと手間で完了する入口にする
ここで効果的なのが、オファー(特典)を用意することです。「今だけ登録する理由」を作るために、たとえば「先行登録者限定の割引」や「登録特典」を提示します。オファーは、LPだけでなく、後述する広告のバナーやテキストにも盛り込んでおくと一貫性が出ます。
ステップ2|広告クリエイティブと訴求
ティザーLPへ人を呼び込むのが、広告クリエイティブ(広告に使う画像・動画・テキスト)です。ここでもLPと同じく、「全部見せない」設計が効きます。商品そのものより、「期待感」や「新しさの予感」を前面に出し、新規性を感じてもらうことを狙います。
クリエイティブは、1案に絞らず複数(3〜5種類ほど)用意し、反応の良いものを見極めていきます。バナーは少し動きのある形式や、動画も合わせて使うと反応が取りやすくなります。動画は、テキストや声、内容を変えるだけで複数パターンを作れるため、2〜3本は常に持っておくと安心です。
なお、「クリエイティブを何枚作り、どうテストして回すか(週次でのテスト、即日のCPA確認、勝ち負けに応じた差し替えなど)」という運用の進め方は、限られたティザー期間で成果を出すうえで重要です。この運用面は、「Meta広告クリエイティブの運用」記事で詳しく解説しています。
ステップ3|リスト獲得後の導線設計
リストを集めたら、それで終わりではありません。集めた見込み客を発売時のプロモーションへどうつなげるか、この導線を、リスト獲得と同時に設計しておきます。ここでは3つの観点が重要です。
①コンバージョンポイント(成果地点)の選び方
リスト獲得の受け皿は、メールアドレスか公式LINEが一般的です。どちらでも構いませんが、Meta広告の最適化(学習)の観点では、メールアドレスのほうが扱いやすい面があります。メールアドレスは「登録ボタン→完了」まで計測できるのに対し、公式LINEは仕組み上「登録ボタンのクリック」までしか計測できないことがあり、誤タップや登録未完了のデータがノイズとして混ざりやすいためです。
②ナーチャリング(育成)のタイミング設計
リストを獲得したら、発売までの間に何もしないのはもったいないことです。期待感を保つために、接触のタイミングを設計しておきます。目安は、登録した直後に1通(公式LINEなら友だち追加時のメッセージでもよい)、そして発売が1か月後なら、2週間前、1週間前、3日前、前日、そして最重要の当日です。当日には、確実に購入・申し込みのリンクを届け、初動を一気に立ち上げます。
③リストの「質」への視点
リストは、量だけ集めても、購入や成約につながらなければ成果は伸びません。獲得したリードの質をどう高め、成約率を改善するかについては、「リード獲得の改善方法」記事で詳しく解説しています。リスト獲得の次の段階として、あわせてご覧ください。
そして、これらの設計は「目標からの逆算」で組み立てるのが基本です。まず「発売時にどれだけ売りたいか(件数・売上金額)」を決め、そこから必要なリスト数を逆算します。たとえば、獲得したリストからの転換率を低めに見積もって10〜20%と仮定すると、目標の売上を達成するために必要なリスト件数が見えてきます。さらに、商材のジャンルごとの広告相場(CPM)・クリック率・コンバージョン率の目安から、そのリスト数を集めるのに必要な広告費を試算し、「その投資をかけるべきか」を判断します。
ティザー広告の事例・成功例
ここでは、ティザー広告で実際に成果につなげた事例を紹介します。
ECローンチで目標比120%・約1,200件のリストを獲得した事例
新規のECブランドを立ち上げる際、ローンチ直後の売上を最大化するために、発売前にブランドのファンとなり得る層のリストを効率よく集める必要がありました。そこで取ったのが、本記事で解説してきたティザー広告の手法です。
製品の核心的な魅力は伏せつつ、期待感を高めるティザーLPを作成・配信し、メールアドレスの登録を促す戦略を取りました。複数のクリエイティブで価値の伝わる訴求を探りながら配信した結果、ローンチまでに、目標リード数の120%にあたる約1,200件のリストを獲得できました。このときのリスト1件あたりの獲得単価は380円で、効率よくリストを積み上げられた形です。
ローンチ前の「助走」をしっかり作れたことが、このあとの成果につながりました。
発売時のプロモーションで初月売上目標を大きく上回った成功例
発売前に集めた約1,200件のリストへ、ローンチのタイミングでプロモーションを実施しました。期待感の高まった見込み客へ直接届けられたことで、発売直後から強い反応が得られました。
その結果、初月の売上は当初の目標を200%上回りました。
金額でいえば、初月で約1,200万円の売上を達成しています。
発売前のリスト獲得(ティザー期)と、発売時の刈り取り(ローンチ)が噛み合った、ティザー広告の典型的な成功パターンです。同様の事例は、「広告運用の事例5選」記事でもご紹介しています。
ティザー広告でつまずきやすいポイント
ティザー集客は強力な手法ですが、始める前に「メリットとデメリットを整理して判断する」ことが大切です。陥りやすいつまずきと、その対処をまとめます。
まず、判断の土台として、メリットとデメリットを整理します。
メリット:在庫を抱える前に、安い広告費で市場の反応を確かめられる/男女別・訴求別など、どこが効いたかが素早く明確に見える/「リスト」という資産が残り、発売後も繰り返し仕掛けられる
デメリット:本番のローンチの「前に」ティザー集客を行うため、その分の広告費・工数・時間がかかる
特にデメリットは見落とされがちです。具体的なつまずきと対処は次のとおりです。
費用を本ローンチと天秤にかけていない: ティザー集客の広告費(小さく始めれば数万円から、規模により数十万〜百万円超かけるケースも)を、「そのまま本番のローンチに使ったほうがよいのではないか」と一度天秤にかけて判断する。
クリエイティブの制作コストを見込んでいない: LP・バナー・動画の制作にも手間がかかる。テスト配信とはいえ、最低限の制作リソースは見込んでおく。
獲得後の導線・育成を設計していない: リストを集めただけで放置すると、せっかくの資産が活きない。前章の導線・ナーチャリング設計をセットで用意する。
新規性のない商品で回している: コモディティ商品では反応が取りにくい。商品の新しさ・興味を引く力が前提。
反応が悪いのに予算を踏み続ける: 反応が取れない=市場の反応が弱いというサイン。予算を下げる・止める判断をし、当たりのクリエイティブが見えるまで予算を踏みすぎない。
これらの多くは、「リストを集めること」自体が目的化したときに起こります。「発売時の成果から逆算してリストを集める」「採算が合うかで判断する」という視点を持つと、つまずきは避けやすくなります。
ティザー広告に関するご相談
ティザー広告は、「核心は伏せ、期待感でリストを集め、発売時に一気に刈り取る」設計がはまると、ローンチの初速を大きく引き上げられる手法です。同時に、在庫を抱える前に市場の反応を確かめられる「テスト配信」としても役立ちます。一方で、どこまで情報を出すか、どんな訴求が登録につながるか、どんなオファー・導線を設計するかは、商材やターゲットによって最適解が変わります。
また、ティザー集客は商品・サービスへの深い理解が前提になるため、外部に丸ごと委ねるよりも、タイムリーに社内で動かす(インハウスで運用する)ほうが向く面もあります。弊社では、運用の代行だけでなく、社内で運用できる人を育てるインハウス運用の支援も行っています。「社内で分かる人を育てたい」「自社で運用するためのノウハウが欲しい」といったご要望にも対応できます。
弊社自身、自社の結婚相談所「サポ婚」の立ち上げ・事前集客でも、このティザー集客の手法を活用していく予定です。自分たちで実践している手法だからこそ、机上の理論ではなく、現場目線でご支援できます。「新商品のローンチを控えている」「発売前にリストを集めたいが進め方が分からない」といった段階からでも、現状をお聞きして設計を整理いたします。まずはお気軽にご相談ください。